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レッドコンプレックスは歯周病の赤信号!関係性や治療・予防をわかりやすく解説

  • 投稿日: 2025.06.24
  • 更新日: 2025.06.24

「歯科医院でレッドコンプレックスであると言われたが何のこと?」

「レッドコンプレックス」という言葉を聞き、聞き慣れない専門用語に戸惑う方も多いでしょう。

レッドコンプレックスとは、歯周病の原因であるプラーク(歯垢)のうち、最も病原性の高い細菌群の集合体です。

歯周病の原因菌を毒性で分類した「バイオフィルムピラミッド」の頂点に位置します。

歯周病が進行した危険なサインであり、レッドコンプレックスの存在は歯周病の「赤信号」と言えます。

この記事では、レッドコンプレックスについて

  • 歯周病との関係性
  • 効果的な治療
  • 予防方法

の3点を詳しく解説していきます。

記事を読み終えると、レッドコンプレックスへの正しい知識が身に付き、具体的に対処できるようになります。

レッドコンプレックスと歯周病の関係性

歯周病が重症化している方の口内では、レッドコンプレックスが検出されます

毒性で分類したバイオフィルムピラミッドの中でも毒性が最も強く、健康な口腔環境では通常見つかりません。

レッドコンプレックスが検出されること自体が、歯周病が著しく進行しているサインと言えます。

▼バイオフィルムって何?詳しい記事はこちら

レッドコンプレックスに潜む主な歯周病原菌は3種類

レッドコンプレックスは3つの主要な細菌から構成され、主な特徴は以下のとおりです。

細菌名特徴
P.g菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)・とくに病原性が高い
・歯周組織の破壊や炎症を引き起こす
T.f菌(タンネレラ・フォーサイセンシス)・歯周ポケット内に定着しやすい
・深い歯周ポケットで増殖・他の細菌の生存を助け、歯周病の悪化に関与
T.d菌(トレポネーマ・デンティコーラ)・歯周組織を破壊し、歯周病を促進させる細菌
・組織の深部まで侵入する能力があり、治療を困難にする要因

3種類の菌が揃うと、お互いに栄養を分け与え歯周病の悪化を招きます。

歯周病に大きな影響を与えるレッドコンプレックスはP.g菌!

レッドコンプレックスの中でもP.g菌が歯周病へ深刻な影響を与えます。

P.g菌は赤血球を溶かして栄養にする特殊な性質です。

また、骨を溶かす作用を持つ内毒素も保有しているため、歯を支える骨組織にも直接的な損傷を与える恐れがあります。

現在の歯周病学では、P.g菌が歯周病の進行に関与するという「キーストーン病原体」の考え方が提唱されています。

具体的には、P.g菌は少量存在するだけでも他の菌を病原菌に変えて歯周病を引き起こすという考えです。(※1)

また東北大学大学院歯学研究科の研究では、P.g菌が産生する炎症物質により歯ぐきを維持する粘膜バリアを破壊し、歯周病の悪化につながることを明らかにしました。(※2)

出典:

(※1)日経サイエンス|キーストーン病原体

(※2)東北大学大学院歯学研究科|歯周病の細菌がマスト細胞と協調して歯ぐきの粘膜バリアを破壊することを発見

レッドコンプレックスの除去は歯周病治療

レッドコンプレックスは酸素の少ない環境や深い歯周ポケットを好みます。

存在が確認された場合、繁殖を防いで歯周病の進行を抑える口腔内の環境整備が重要です。

レッドコンプレックスが繁殖しにくい清潔な口腔環境の維持が治療の第一歩です。

歯科医院でレッドコンプレックスの歯周病原菌を確認

歯科医院では、歯周病細菌検査によってレッドコンプレックスの有無を把握します。

検査により、口腔内にP.g菌をはじめとする歯周病原菌がどの程度存在するかを調べ、歯周病の重症度や今後の進行リスクを評価します。

検査結果をもとに、一人ひとりに最適化された治療・予防計画の立案が欠かせません。

細菌の種類や量を正確に把握でき、治療方針の精度が高まります。

歯周病原菌のレッドコンプレックスを除去

歯周病の治療には、歯科医院での歯石除去の治療が欠かせません。

歯石はレッドコンプレックスが繁殖する温床であり、歯石になる前の時間が経った歯垢の除去も必要です。

歯科医院では、専門的なクリーニングであるスケーリングとルートプレーニングを行います。

治療法内容
スケーリングスケーラーという専門的な器具を使い、歯の表面や歯ぐきの境目に付着した歯石を除去
ルートプレーニング歯周ポケットの奥深く、歯根の表面に付着した歯石を除去し、表面を滑らかにする処置

これらの治療により、口内が歯周病原菌が生息できない環境へと整えられます。

歯周病予防でレッドコンプレックスの繁殖を防ごう

歯科治療によってレッドコンプレックスを除去した後は、セルフケアとプロケアの両方を継続して再発しないための予防が欠かせません。

それぞれのケアについて詳しく見ていきましょう。

自宅でのセルフケアにVIEAQ ORL TOOTHGEL

歯ブラシによる丁寧なブラッシングは基本ですが、VIEAQ ORL TOOTHGELを利用すると、歯磨きの効果をさらに高められます。

ジェルタイプの歯磨き剤であり、通常の歯磨き粉による歯ブラシでは届きにくい細かな隙間や、歯周ポケットの奥まで成分が届きやすい特徴があります。

さらに、歯磨き後のケアとして歯肉や歯周ポケットに直接塗ることで、ジェルが歯周ポケットを覆い、レッドコンプレックスが潜みやすい部位のケアが可能です。

定期的な歯科検診でプロケア

定期的な歯科検診によるプロケアでは、歯周ポケットの深さや出血の有無などを確認し、レッドコンプレックスの再発兆候をチェック可能です。

セルフケアでカバーできていない部分をプロの目でチェックして対応してもらえます。

主なプロケアの効果は以下のとおりです。

  • 定期点検
    • 専門的な知識と技術により早期対応できる
    • 初期段階の問題も見逃さずに発見できる
  • 歯のクリーニング(PMTC)
    • 専門的な器具や薬剤を用いてプラークを除去する
    • 歯周病の再発予防に効果が期待できる
    • セルフケアでは難しい頑固な汚れを除去

定期的なプロケアにより、レッドコンプレックスの再発リスクを大幅に軽減できるでしょう。

まとめ

レッドコンプレックスは歯周病の進行を示す赤信号です。

とくにP.g菌の存在は他の細菌とは異なる強い病原性を持ち、免疫機能を抑制しながら歯周組織を破壊していくリスクがあります。

しかし、レッドコンプレックスが検出されても、適切な治療と予防により健康な口腔環境を取り戻せます。

歯科医院での専門的な除去治療
除去後の継続的なセルフケア
定期的なプロケア

が重要です。

日々のセルフケアを強化するには、VIEAQ ORL TOOTHGELがオススメ。

歯磨き粉の代わりとして使ったり、歯磨き後に塗ることで、歯肉や歯周ポケットなどをしっかり・やさしくケアできます。

レッドコンプレックスの再発を防ぎ、健康な口腔環境を維持しましょう。